アブストラクト(55巻2号:神奈川歯学)

神奈川歯学

Japanese

Title : 成人と幼児における術前経口炭水化物負荷による術中糖脂質代謝の検討
Subtitle : まとめ論文
Authors : 衣川智子
Authors(kana) :
Organization : 神奈川歯科大学大学院歯学研究科全身管理医歯学講座
Journal : 神奈川歯学
Volume : 55
Number : 2
Page : 93-105
Year/Month : 2020 / 12
Article : 報告
Publisher : 神奈川歯科大学学会
Abstract : 「緒言」術前の絶飲食ガイドラインでは, 「年齢を問わず軽食の摂取は麻酔導入6時間前まで, 清澄水の摂取は麻酔導入2時間前まで」が推奨されている. これは, 長時間の絶飲食と比較して胃内容液量は不変かあるいは減少し, 胃内容液pHはすべての研究において変わらないことから, 誤嚥の危険性は増加しないからである. しかし, 術前の絶飲食により, 肝臓においてグリコーゲンから脂肪が動員されるが, 貯蔵されたグリコーゲン量は一日に必要とされる基礎代謝量以下であり, 筋肉におけるタンパク質の異化が亢進しケトン体が増加する. また, この場合, 術後に血糖値を正常に維持するためには, インスリン抵抗性の増加のために8倍のインスリンが必要とされる. Enhanced recovery after surgery(ERAS)プログラムでは, 12.6%経口炭水化物飲料を手術前日の深夜までに800mL, 手術当日は麻酔開始2時間前までに400mL飲用させる.
Practice : 歯科学
Keywords : 術前経口炭水化物負荷, 代謝, 異化, 糖